五劫思惟

面白いことが書いてありました。 『出家して修行する目的はなんでしょうか?それは、覚りをひらいて解脱することです。 では、覚りとは何か。覚ったあとでないと、それはわからない。 ということは、仏教の修行者たちはみな、覚りがなにか知らないまま修行を…

「創発」という言葉に出会いました。 「三人寄れば文殊の智慧」のように、一人一人では為し得なかったことが、 人が集まることで新しいパワーが生まれできなかったことが出来るようになる現象を 社会学の分野で「創発」と言うそうです。 組織を運営する場合…

元気塾で「増上慢」「卑下慢」「等慢」ということを聞きました。どれも自慢のことです。 一般に自慢と言えば「増上慢」が多いのですが、「卑下慢」も「等慢」も立派な自慢です。 さて、これらの自慢を回避する方法は無いのでしょうか? 「黙々」とか、「淡々…

香山リカ著「〈じぶん〉を愛するということ」の中で、 「ビジネスマン向けのオカルト書のような内容は、どれもだいたい似ていて、とくに以下の四点が共通しているということを、斎藤貴男氏の「カルト資本主義」という本の中から、引用しています。 その四つ…

下下品の講義を聴いて、 下下品の自分でも救われるからそれで良いとか、 念仏さえすれば助かるとかではないと思いました。 こんな自分になりたいという「行」とかはやっぱり必要なのでは。 拘らないとか、怒らないとか、威張らない、焦らない、腐らないとか…

清澤満之の語録で「戦争に出かけるもよい」と言っているものがあるそうだが、それはどんなものですか?という質問がありましたので、「宗教的信念の必須条件」の全文を書き写しておきます。個々に感じ取ってください。 宗教的信念の必須条件 『清沢満之先生…

『我 必ず聖に非ず。彼 必ず愚かに非ず。共に是れ凡夫(ただびと)ならくのみ。』 お互いに、ご縁に左右され煩悩に振り回されて生きているので、時には正しいことを言うこともあるし時には間違うこともある、そういう凡夫(ぼんぶ)同士なのだということを決して…

いろいろの会合に出席すると、幾つか疑問がでてくることがあります。 先日の念仏会では、初めて出席の方から立っている線香を見てインパクトがあったという感想が出ました。 そこで、いつから真宗は線香を寝かすようになったか?ということが気になりました…

帰命義趣 この言葉初めて聞きましたが、聴聞では直接"帰命義趣"とは出てきませんでした。浄土真宗における「帰命」の意味はどのようであるかというお話でした。 そのお話の中で次の三つの言葉を教えてもらいました。 帰投身命。 帰還命根。 帰順教命。 話の…

今日、たまたま二つのことが仏法と結びついて、ハッとさせられました。 一つは、ブログのことを書いた本を購入しました。最初に、ブログの歴史があり、出始め当時は「ブログ」は初心者のための程度の低いインターネットアイテムと思われていたそうです。なる…

お正月の新聞から先月まで、やっと切り抜きが終わりました。 そこで最近すご〜く気になることがあります。話題は最近ではなく4月27日から5月7日まで「もんじゅ運転再開」というものです。1995年のナトリウム漏れ事故で運転を停止していた高速増殖原型炉もん…

廻向とはサンスクリット語で、‘パリナーマ’と言い、「向かう」「そらせる」という動詞からできた言葉である。そこで、廻向は自分の修めた善を他にむかって差し向けることを表わす。現在では、生存する者が死者を供養して、善を振り向けることを「廻向」とい…

「Aさんが死んだのは、そもそも生まれてきたからだ」という言い方をすることがあります。無常を分からせるための方便かと思われますが、やっぱり無理があります。「そもそも生まれてきたからだ」というのはすべてのことに当てはまるからです。嬉しいのも生ま…

仏教の極意とは、『開方便門示真実相』の八文字に凝縮されるという。 意味は、「当たり前のことを当たり前に行なう人になるために方便の門を開け」ということである。 「方便」とは、手段、まにあわせ、手立てである。仏教用語としては「仏が衆生を教え導く…

仏教の特徴とは、唯一神を立てないことだそうです。 『はじめに我あり』が基本だとか…。 己無しには生きられない。言い換えるといつも自分が中心だと言うこと。 それに対して、「仏道とは、自己を習うことなり」と言われている。 また、分からない自己に対し…

喪中はがきがたくさん来ます。なぜ喪中だけ年賀を控えるのか。それほど真剣に考えたことはないのではないでしょうか。 先日、お店のトラの匂い袋を喪中だといって、断られたお客さまがいました。 自分は、喪中だとしてもいつもと同じように変わらずで行きた…

先日の西蓮寺様の法座でも何度も繰り返されていることなのですが、人間は自分に都合のいいことを善と呼び、都合の悪いことを悪と呼ぶ。そして、善が続けば「貪欲」の煩悩が、悪が続けば「瞋恚」の煩悩が起こる。どちらにしても迷いの世界をさまようこととな…

ひとは、無性に欲しいものがあり、それをほとんどの他人もまた望んでおり、しかもそれを手に入れることが可能な場合、確実に不幸になる。 人生において自分の欲するものを獲得するためには、たとえそれが正当なものであっても、膨大な犠牲を必要とする。 圧…

絵解きも無事終わりました。 参詣の方々の反応も上々でやって良かったなぁと思います。今は勉強的な負担と絵解き法話自体への疑問から少し遠ざかっていましたが、本当に良いご縁を頂きました。初めてのお寺だったのでスケジュールが分からなかったのですが、…

生まれなければ、死ぬということはありません。生まれた、これが死の因です。仏教はたったそれだけのことを明らかにしたのです。 自分はこの言葉には懐疑的です。ある意味死の必然性を納得させる言葉でしょうが、この言葉を聞いて安心しているのは、アームチ…

去る10/30にクロード=レヴィ=ストロースが亡くなった。 10/29には5代目三遊亭円楽が亡くなり、東京落語の四天王と呼ばれていた人が、5代目春風亭柳朝(柳朝亡き後は月の家円鏡、現・8代目橘家圓蔵)、古今亭志ん朝、立川談志だと紹介されていた…

本の話題の続きになりますが、谷沢永一著「人間力」、”にんげんりき”と読みます。著者谷沢永一(たにざわえいいち)氏によると、この「人間力」という語彙を見事に活用したのは司馬遼太郎だという。また出てきた司馬遼太郎といった感じだが、『風の武士』とい…

中島義道著「『哲学実技』のすすめ」(2000年12月初版 角川書店)を見ていて、その目次は 1.哲学することと生きること 「からだ」で考える 2.健全なエゴイズムを育てる 3.「不幸」を糧にして考える 4.あらゆる「悪」を考える 「ほんとうのこと」を語る…

久々に家の近くを回って驚いたのは、羽根町に阿含経の新道場の予定地の案内看板があったり、戸崎町に真光の大きな建物を見て、アレ今までもあったのかな、気づかなかったなと驚きました。 今、世の人々は迷っています。今後10〜20年はこころの問題の解決…

社会心理学の本を読んでいたら、人間の「意見」と「行動」には一致する必要はないし、一致しないのが普通である、というようなことが書いてあった。「言行一致」のスローガンはそんな人間の性質をよく知っているからこそ出てくるのである。それを人間の業と…

訳有って平成19年の手帳から調べなおしています。すると12/3のところに電気修理の住所と名前が書いてありました。 おばあさんが亡くなってお寺様が来るのに、仏壇の電気が点かないということでした。おばあさんの枕元で修理した 思い出があります。その…

たまたま縁があって教行信証を最初から読み始めています。教巻は短いのですぐに読み終えて、行巻に入りましたが、改めて読み直すとあらたな発見があってこんなに新鮮なものかと驚いています。何よりまた仏法はいいなぁと、どこか向こうの方から実感がひしひ…

エヴァンゲリオンの最終回はいろいろと話題になりました。ほとんどの意見はわからない。パーッとすべて放棄したびっくりした終わり方で、あっけにとられたという人が多いのです。でも、真宗でいう「私は私になればいい」の気づきにもって行きたかったのだと…

人間は「やりたいこと、やれること、やらなければいけないこと」の三つが満足されたとき生きがいを感じると言う。これは当たっていると思われる。しかし、この前提には生き方の問題も出てくる。 人それぞれ同じ状況でも「やりたいことと、やらなければいけな…

位已光児氏のことを書いた「天のこえをきく」を読んでいて思ったのですが、中ごろにこんな記述がありました。 『そのパソコンで自分独自のテキストを作ります。彼には特定の師匠がいないからです。そして、それはまず山岡清が主宰するグループの間で時々話題…