香山リカ著「〈じぶん〉を愛するということ」の中で、
「ビジネスマン向けのオカルト書のような内容は、どれもだいたい似ていて、とくに以下の四点が共通しているということを、斎藤貴男氏の「カルト資本主義」という本の中から、引用しています。
その四つとは、
1、自分は生きているのではなく、生かされているのである。
2、世の中のことはすべて必然である。
3、思ったことはすべて実現する。
4、近い将来この世界は崩壊するが、選ばれた人々は生き残り、新しい世界を築き上げる。

 すなわち、すべてのことは意志と必然で起きているが、それを行なう自分自身は何か大きい力で生かされている、というような内容が、これらの共通項だというのです。

香山リカさんはこう言っています。 
「日本の現代的な癒し」というものをむりやり定義してみれば、「人間を超えた大きな力により、具体的な病苦や障害を取り除いてもらうと同時に、より高次の全体性を持ったほんとうの自分になること」、こう言えるのではないでしょうか。

これって宗教がやっているかなりメインのところじゃないですか。それとカルトとを一緒にしている?
目覚めさせられたような爽快感、高揚感の現れはマインドコントロールの一環である?「自己の解体」というそうですが。

「私たちは生きているのではなく、生かされているのである。」や「世の中で起こることはすべて必然である。」というのは法話の常套句です。そんな感受性がなければ、仏教的に「生は偶然、死は必然」とか「今いのちがあなたを生きている」とか、もっと複雑な魂の出遇いみたいな感覚はうけとれないことでしょう。正直言うと、自分も「アッ!!」と思うことが以前はよくありましたが、最近は少なくなって来ました。香山リカさんの言っていることもよく分かります。現実主義に近くなってきたからでしょうかね。世の中の識者・科学者のような人の宗教デビューは極めて難しいかなと思わせられました。やっぱり、宗教的は感覚は、おばあさんに連れられて、幼いころからお寺に親しむといった体験が必要なんでしょう。

上記の通り、方法や現象は、正規の宗教もカルトも紙一重です。この世で、それを見分ける術は、
1、お金を要求しない
2、入会を強制したり、退会を妨害したりしない
3、個人の思想信条をとりあえず尊重する
4、神のような絶対者を置かない
そうでない団体は、宗教法人格を持っていようとカルト的と言って良いと思います。そして、騙されない一番大事なことは、胡散臭いという個人的直感だと思います。