親鸞聖人は沢山の和讃を作成されています。三帖和讃が350首余り、全部を数えると540首余りでまだときどき発見されるものもあるとか。その真偽は研究者にまかせるとして、お勤めではこれらの和讃を繰り読みしていくことになります。真面目にお勤めをしている人でないと全部に目を通している人は少ないでしょう。実は親鸞聖人の思想は「教行信証」に顕されていますが、和讃を深く読めば、そのほとんどが理解できるようになっているそうです。でも、読み込んでいる人は少ない。
 新しい試みとしては、音楽法要に新たに作曲された和讃を歌う形式も見られます。平田聖子さんの楽曲は本になって出ていますので、それを参照すると良いでしょう。が、あるとき本(「節談」はよみがえる やはり説教は七五調 谷口幸璽著 関山和夫監修 白馬社)を読んでいて、「ズンドコ節」が出てきたのです。「ズンドコ節」は説教の節と合うので替え歌を作れると言う。これだ!
 弥陀の名号となえつつ 信心まことにうるひとは 
 憶念の心つねにして  仏恩(ぶっとん)報ずるおもいあり

 「ズンドコ節」でぴったりはまります。氷川きよしのだったら2首ずつ覚えることが出来ます。おばあちゃんたちは喜んで覚えるんじゃないでしょうか。もちろんふざけて歌うのはいけません。あくまで方便、楽しんで和讃を覚える。これは新たに作曲するのと意図は同じだと思います。恩徳讃を特別視する人もいますが、誰かが選んだ1首に節を付けただけです。正像末法和讃の最後を誰かが選んだとしか思えません。それが他の和讃を遠ざけているのかもしれません。親鸞聖人はもっと和讃に親しんでもらいたいのではないでしょうか。
 ところで、「ズンドコ節」が本に出ていたのですが、七五調なので、他にもはまる曲があるのでは?ということで。
 水戸黄門のテーマ「ああ人生に涙あり」、ということは当然「どんぐりころころ」。滝廉太郎の「」「荒城の月」もできます。古いところでは、『愛染かつら』の主題歌「旅の夜風」…花も嵐も 踏み越えて、行くが男の 生きる途、泣いてくれるな ほろほろ鳥よ、月の比叡を 独り行く…は西條八十 作詞なんですね、知らなかった。和田弘とマヒナスターズ・松尾 和子の「お座敷小唄 」…富士の高嶺に 降る雪も 京都先斗町に 降る雪も 雪に変りは ないじゃなし とけて流れりゃ 皆同じ…でもOK。小唄つながりで「松の木小唄」。ちょっと変わったところで、さだまさしの「精霊ながし」。変則で最初に南無阿弥陀仏阿弥陀仏と入れて2首続けて最後の5文字を繰り返すと「通りゃんせ」でもできます。
 和讃がぴったり合う曲を見つけたら教えてください。