声明のことについて「宮・商・角・徴・羽」とか勉強したけど興味が無かったけど、
身近に感じられました。
 
親鸞聖人の讃阿弥陀仏偈和讃の39番目
  清風(しょうふう)宝樹をふくときは
  いつつの音声(おんじょう)いだしつつ
  宮商和して自然(じねん)なり
  清浄勲を礼(らい)すべし
 無量寿経上巻宝樹荘厳の『清風時に発りて、五つの音声を出だす。微妙にして宮商自然に相和す。』をもとに曇鸞は「讃阿弥陀仏偈」の中に「清風ときどき宝樹を吹くとき、五つの音声をいだして宮商和す。微妙の雅曲自然に成ず、故に我れ清浄勲を頂礼す」と記し、それを元に親鸞聖人が作成した御和讃です。
 中国の5音階、「宮・商・角・徴・羽」はたとえば「ド・レ・ミ・ソ・ラ」という音階に当たるそうです。宮と商とは、ドとレに当たり同時にこの二つの音を出すと不協和音になります。不協和音でも、それが浄土では自然に調和する世界であるということです。
 インドの経典の原典は、浄土ではそよ風が木の枝や葉に流れて音楽を奏でている、その奏でている音響は、けっして耳に不愉快でないという記述なのを、康僧鎧(こうそうがい)が、中国の宮・商・角・徴・羽という五つの音階にあてはめて「宮商和して自然だ」と翻訳したということだそうです。ここに中国の経典漢訳の妙味があるということです。
 浄土では、調和しないことが調和するのだ、これが念仏の世界であり浄土の世界であります。