■
助安由吉著「知恵の泉」より
魂の向上
この世に生まれてくるときには
両親の縁によって一人で生まれてきた
あの世に帰るときも
身内の人々に見送られながら一人で帰っていく
すべての人々は皆 魂が異なっている
そのために一人ひとりが
皆違う修行の仕方で
この世であらゆる体験をするのである
本当の自分の心を見つめるためには
ワイワイガヤガヤした所でやるものではない
一人静かに
孤独な場所を選んでやるものなのである
日常生活においては
当然多くの体験を積まなければならない
しかし自分の魂の向上
霊性に目覚めるには
その多くの人々の中にいてはむずかしい
ひとりぼっちになることである
どんな所でもよい
ひとりぼっちになる環境を自分で作るのである
苦しいかも知れない
淋しいかも知れない
それでもひとりぼっちになるのである
そして自分と自分との対話をする
そこに魂の向上がある
朝早く散歩する
夜 月や星を眺める
山歩きをする
川や湖のほとりを歩く
草花を観賞する
小川のせせらぎを見る
樹木を見る
小鳥たちの声を聞く
独立した小部屋に座る
あるいはトイレに入る
これらはひとりぼっちで行うのである
その時に何かを感ずるはずである
魂の向上
霊性の目覚めには
大自然の息吹きにじかに触れるようにする
周囲に人がいるとその人に意識が向く
ひとりぼっちの場合は 自然の対象に目が向く
このようにして自分の魂を研いていくのである
魂の修行は ひとりぼっちが最高である
対象がいやが応でも自分一人になるからである
そこで人生を悔いなく生きる鍵を見つけるのである