助安由吉著「知恵の泉」より
   魂の向上
 この世に生まれてくるときには
 両親の縁によって一人で生まれてきた
 あの世に帰るときも
 身内の人々に見送られながら一人で帰っていく
 
 すべての人々は皆 魂が異なっている
 そのために一人ひとりが
 皆違う修行の仕方で
 この世であらゆる体験をするのである
 
 本当の自分の心を見つめるためには
 ワイワイガヤガヤした所でやるものではない
 一人静かに
 孤独な場所を選んでやるものなのである
 
 日常生活においては
 当然多くの体験を積まなければならない
 しかし自分の魂の向上
 霊性に目覚めるには
 その多くの人々の中にいてはむずかしい
 
 ひとりぼっちになることである
 
 どんな所でもよい
 ひとりぼっちになる環境を自分で作るのである
 苦しいかも知れない
 淋しいかも知れない
 それでもひとりぼっちになるのである
 そして自分と自分との対話をする
 そこに魂の向上がある
 
 朝早く散歩する
 夜 月や星を眺める
 山歩きをする
 川や湖のほとりを歩く
 
 草花を観賞する
 小川のせせらぎを見る
 樹木を見る
 小鳥たちの声を聞く
 
 独立した小部屋に座る
 あるいはトイレに入る
 
 これらはひとりぼっちで行うのである
 その時に何かを感ずるはずである
 
 魂の向上
 霊性の目覚めには
 大自然の息吹きにじかに触れるようにする
 周囲に人がいるとその人に意識が向く
 ひとりぼっちの場合は 自然の対象に目が向く
 このようにして自分の魂を研いていくのである
 
 魂の修行は ひとりぼっちが最高である
 対象がいやが応でも自分一人になるからである
 そこで人生を悔いなく生きる鍵を見つけるのである