千福寺 無縁者追弔会 小谷香示師
 現代は造る時代から、受け取る時代に変わってしまった。物の無い時代はものを作ったので、ある程度その原理が分かったが、今は受け取る時代になってしまい、そのものTVとか自動車とかがどういうものかよくわからなくなってしまった。物の無い時代は、対価があっても物が無いから手に入らなかったが、今は対価ですべて手に入る時代になってしまった。消費社会。エコとか環境とかとは逆行している。
 わからないということ。わからない世界。→不安、疎外、孤独。
 旅行会社のヒット商品。「癒し・自然・発見」という旅行パック。
 不安、疎外、孤独を解消するようなもの。
 年を取るのはかなわない、嫌なことと見ているが、年を取るとその年でしか分からないことが見えてくるという見方もある。いままで見えなかったこと、見ようとしなかったこと、と見ている方向が違っていたと気づくことが大事。
 お寺での行事を通じて、門徒さんの特技や個性を改めて発見させられた。こんなことがやりたいと思えばそれができる人が集まって形を作ることができる、その喜びに目覚めた感動を頂いたと言われた。
 自分が思うには、これこそが毎年、年を取っても楽しく嬉しいと思える秘訣なのだと思う。毎年、今年が一番楽しいという和尚さんを知っているが、本当に活動的で、勢力的に行事をなさっている。自分にできることで、人が楽しんでくれる、そこに3次元的に出会いの場が作られていくと、それは楽しくて仕方がないだろうし、それができるところがお寺なのだと自分は思っている。
 最後に四門出遊のたとえを、さらに四季にもたとえて説明されたのは、自分にとっては新しい視点であった。何度も言い尽くされた話でも、ちょっと工夫することで、新鮮さを与えられることを思い出させていただいた。今少し勉強したいというエネルギーが出てきているので、この機を逃さず一つステップアップしたいと思っている。
 貴重なお話ありがとうございました。 合掌。