『ララピポ』奥田英朗
 神は何故、この者たちに生を与えたのか?
 勝ち組なんて、いない。選りすぐりのダメ人間集合!
 みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても。」格差社会をも笑い飛ばす6人の、どうにもならない日常を活写する、悲喜交交の傑作群像長編。
 「誰か革命でも起こしてくれーっ」と他力本願なアナタに――(著者)

 「ララピポ」とは、"a lot of people”がそう聞こえるから。素直な耳ですね。

 言いたくはないのですが、またまた、新聞に大きく「他力本願なアナタに」という使い方が出てしまいました。辞書にも「もっぱら他人の力をあてにすること」という意味があるので間違いではないのですが、本来の「他力本願」の意味を一般に示せないと、転じた意味が主流になってしまうでしょう。 
 「阿弥陀仏の本願。また、衆生がそれに頼って成仏を願うこと」という意味で「他力本願」を使う場面は、一般生活ではほとんどないことです。「他力」とかいう小説もありますが、そんな話題性で「他力本願」という小説にするとか。阿弥陀仏の本願他力を歌にして、ジェロに歌ってもらうなんていうのが、今一番効果があると思いますが。