[哲学のはじめ]
 いつもの思考パターン・行動パターンから一歩引いてながめてみることが哲学のはじめです。日常生活に結びついた、お手軽な学問です。
 [哲学は何の役にも立たない?]
 哲学で、『自分が生きることはほかの生きものの命を奪うことだ』と解釈したとしても、私たちはうなづきながら、グルメを追求する人生を送っているのです。
 哲学は、このように人や世界のあり方に対する自覚をうながすものです。しかし、変化を引き起こすことは滅多にありません。
 では、この自覚は何かの役に立つのでしょうか。
 [哲学の役目]
 哲学は、私が私の生き方を貫くための私の自信を支えてくれるものです。このような私の自信は、私の心の平安のためにも、その平安のおかげで、私の周りにいる知人たちの安寧が保証されるということのためにも有意義な、大切なお守りのようなものです。
  「私と私を取り巻く世界を見つめ直して、生きていく自信を得るために哲学は存在する。哲学は、私たちに生きていく自信と心の平安を与えてくれるもの。そんな意味では哲学は単なる学問でなく、人生のお守りのようなものだね。」 
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 哲学を主語にして書いてきましたが、真宗法話と非常によく似ています。
 どうも自分はこの当たりをごっちゃにしていたみたいで、今更ながら宗教とは何ぞやと、疑問に思っているわけです。
 
 「宗教というものは、人類がどうしたら幸福な生活を全うできるかというような問題には関係がない、宗教の真理というものは、そういう人間中心の考えとは違うんだ」と。

 そうすると、自分が興味をもってやっていることは、哲学的な発想法であり、宗教の概念には太刀打ちできないのでは、などと思っているわけです。
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 宗教というものを宗教たらしめているところのものは何か?
 哲学と宗教の違いは?
 私たちは法話(説教)に何を求めているのでしょうか?