今日の中日新聞の編集局デスクに加島祥造著「求めない」が紹介されていた。

  • 求めない―/すると/いまじゅうぶん持っていると気づく
  • 求めない―/すると/いま持っているものが/いきいきとしてくる
  • 求めない―/すると/それでも案外/生きていけると知る
  • 求めない―/すると/求めたときには/見えなかったものが−/見えてくる
  • 求めない―/すると/時はゆっくり流れはじめる
  • 求めない―/すると/心が静かになる

 これらは本の引用であるが、この本を読んで編集局長の加藤幹敏さんは、『快楽と便利の果てしない追求に、人は逆に振り回されている。度を越した所有欲が引き起こす事件は、絶えることがない。私たちが抱える不安も、さまざまな「過ぎた欲望」と無縁ではあるまい。…中略…彼が最も訴えたいのは、欲望を抑えることが実は本来の自分を取り戻させ、生き生きとした暮らしにつながるという点だ。』 (中日新聞記事より)

 加島さんは最近老子荘子に傾倒していて、この作品も、老子の「足るを知るものは富む」に触発されて書いたらしい。仏教に出会って、欲がないといったら嘘になるが、この「求めない」実践がすこしずつできるようになったと思うし、それがより深いご縁や、つながりになっていくという実感も持っている。しかし、この世でバリバリやるのが「善」だと思いたがっている人たちには、このことを説明しても伝わらない。今後、経済至上主義は危ないし、破綻していくと思っている。お互いにマインドコントロールされているのかもしれないが、その答えは死の直前に与えられるのだろう。「親鸞におきては、ただ念仏して、弥陀にたすけられまいらすべしと、よきひとのおおせをかぶりて、信ずるほかに別の子細なきなり。」と自信を持って言えたことは本当に幸せなことだなあと思う。
 この本は、見つけたら読んでみたいと思っています。

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 今、『求めない』と『ホームレス中学生』を注文してしまいました。