[一念多念文意]
諸仏称名の誓願、『大経』にのたまわく、「設我得仏 十方世界無量諸仏 不悉咨嗟称我名者 不取正覚」と願じたまえり。この悲願のこころは、たといわれ仏を得たらんに、十方世界無量の諸仏、ことごとく咨嗟してわが名を称せずは、仏にならじと、ちかいたまえるなり。「咨嗟」ともうすは、よろずの仏にほめられたてまつるともうす御ことなり。