ふたつのごんきつね
「ごんぎつね」には二つのバージョンがあるそうです。
新美南吉の権狐と、鈴木三重吉の添削したもの。
教科書の「ごんぎつね」は添削したもので、
情け容赦のない赤ペンが走ったと言います。
そして、添削の最大の評価が最後の部分。
オリジナルは、
「権、お前だったのか・・・。いつも栗をくれたのは・・・・。」
権狐はぐったりなったまま、うれしくなりました。
兵十は、火縄銃をばったり落しました。
まだ青い煙が、銃口から細く出ていました。
私達が知っている添削された「ごんぎつね」のラストは、
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました。
兵十は、火縄銃をばたりと、とり落しました。
青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。
ここが鈴木三重吉の天才的な才能なのだそうだが、いかがでしょうか。
オリジナルのごんぎつね
わたしたちの知っているごんぎつね