真宗再発見

桂利劔先生のもとで森尾則如という天台学の大学者が『教行信証』をお習いになられたときに、桂先生は始めに「難思の弘誓は難度海を度する大船、無碍の光明は無明の闇を破する恵日なり」の一句を森尾師に授けられた。すると森尾師は、びっくり驚天、讃嘆措く能わず、膝を打って、「此の様なすばらしい教えが浄土真宗ですか」と云って、感極まって称讃せられたと云う事である。(法雷1985年特集号(4)p.32)

「措く能わず」とは、「やめることができない」、「せずにはおれない」という意味である。
 
わたしは、あまりにも真宗に慣れすぎ、当たり前にしすぎ、大きなことに気づかずに過ぎていってるのではないでしょうか。初期の新鮮な感動、いいなぁ、はどこに行ってしまったのでしょう。真剣に求めていれば必ずこのような感動は常にあると思います。
第3者しかもすごく偉い人に言われれば、「真宗」って、そんなに良い教えなんだ、と思ってしまう自分はいかに権威主義かとも思いますが、人間そんなものなんでしょう。だから、尊敬する師の話を聞く、先達の経験を見ることが大切なのだと再認識しました。そのような方みんなが善智識です。(逆に言うとあまり変な話は聞かない方が良いということになります。でも聞いてみないと分からないし…。善し悪しの判断も怪しいとなればどうしたら良いのでしょうか。)
多分、信心頂ける、ただ念仏できるようになる話を聞け、ですね。最近特にそう思います。結論らしきものが出てきました。この御縁に感謝合掌。
 

「総序」の文は短いが、『教行信証』全篇を総括しておる。総序を拝読して全篇を読み、全篇を拝読して総序に帰り、以て真実信心を決定すべきである。
「総序」を拝読するには(1)「機法」(2)「行信」(3)「因果」の三つの点に着眼して拝読すべきである。