哲学と宗教の違いは、疑うことと信じることだそうです。哲学は疑う!
これは現代人にとっては受け入れ安いかも知れません。
少し前まで、「人を見たら泥棒と思え」とか言われて育った世代にはピッタシの考え方です。
で、土屋先生が哲学を勉強していて一番よかったと思うことは、
人間はみんな、基本的に愚かだと分かったことだそうです。
えっ、高僧たちの言われている凡夫、愚者の境地を反対の方向から掴んだということ?
いいえ、よくよく考えると、法然上人も親鸞聖人も既存の仏教を疑うことから、
念仏の教えにたどり着きました。そうです。真宗の教えの基本は、
信じることではなくもしかしたら疑うことだったのかも知れません。
たしかに「信心為本」「ただ信心を要とす」としきりに強調するのは、
信じることが難中の難であるためでしょう。
すべてを疑ったなかから本物を見出す、それが真宗の姿勢のような気がしました。