十七
 若し起悪造罪を論ぜば、何ぞ暴風駛雨に異ならん。是を以って諸佛の大悲、勧めて浄土に帰せしめたまえり。たとへ一形悪を造れども、ただ能く意を繫けて専精に常に能く念仏すれば、一切の諸障、自然に消除して、定んで往生を得ん。何ぞ思量せずして都(すべ)て去く心なきや。
道綽禅師『安楽集』)