今日の新聞の中日春秋に「定額給付金」についての市民の反応についての意見が載っていた。
 「黙っていても1万2千円から2万円のお金が手に入る結構なお話。国民は単純にありがたがると首相は考えたのだろうが、世論の7割が反対した。つまりそれだけの人が単純な利己を拒否して、利他を考えたということだろう。」と記者は結論し、社会の健全さを確かめられたのは麻生さんのおかげである。感謝しなければならない、と皮肉っている。
 社会風刺ということならこれでいいのであろうが、人間の本質という面からみると余りにも自分都合の結論であろう。「単純な利己を拒否して、利他を考えた」ということが言えるだろうかをもう一度考えて欲しい。
 この反対意見にしても、大部分の人は、結局損をするという利己の立場で答えているにすぎないと思う。減税ならもっと戻ってくるのになぜ定額にするのか、どうせ消費税でがっぽり取られるのならその口実を与えないほうがいい、と疑心暗鬼なのである。
 本当に利他の心があれば、給付金は頂いて寄付するというのが一番の方法であろうが、そちらは8割が貰うと言っている。利他の人は2割である。
 一番いい方法は、2兆円で実際に何かをやって効果を出すことである。そのためには、いままでお金がなくて困っている、子育て支援とか老人介護の方面が良い。教育でもいいが、なんでも一つに特化してほしい。実際に目に見える効果を出せば、給付金の金額でこれだけのことができるという満足感が得られるし、今後のお金の使い方の参考にも成り得る。あのときに不況があって良かったといえる仕組みを工夫してほしい。
 それらのことを一番嫌がるのが役人であろう。効果的なお金の使い方がわかってしまうと、いままでのように垂れ流しができなくなるし、おこぼれもいただけなくなる。
 麻生さんがどちらにつくかは、目に見える結果となっている。どうせ四面楚歌なんだから一発最期に起死回生の逆転アイデアをぶち上げたらどうですか。