西光寺様の報恩講の2日目。今日の説教は織田慶雄師。
 午前中乗りに乗っていたようで、聴聞者の反応も良かった。いつもの織田節が炸裂といった感じ。要所要所で冗談が受けていた。そして、またその冗談が真理を突いていくという、織田先生独特の話の進め方である。午後からもお参りくださいと締めくくられたが、自分は用事があったので、できる限り早く駆けつけた。
 15時ちょっと過ぎに着くと休憩中で、しばらくすると織田先生がご登場。最後の一席は、なんと節談説教。それも「加典兄弟」でした。節談を復活されたとは聞いていたので、もしかしたら今日聞けるかも知れないと期待していましたが、「加典兄弟」とは。というのも、今までその話に共感が持てなかったためです。自分のすばらしい成果の為に妹の幼子をも犠牲にする、滅私奉公の精神の奨励としか聞こえてこなかったからです。
 しかし、話が始まると、その迫力と表現力、スピード感すべてに引き込まれて、感動をもして、時間のたつのを忘れてしまいました。もともと織田先生は節談はせり弁だと言って、その次から次へとあふれるばかりに言葉を重ねていく迫力は聞きごたえがあります。また、泣ける場面での感情移入による声の調子、聴聞客も思わず目頭を抑えていました。情念のうなりを堪能しました。
 2〜3年前に自分が節談を勉強していると言ったときに、織田先生も若い頃に節談をやった(何年くらい前かは?)が、そのときには全く受けなかったと言っていました。時代が巡って来たということなのでしょうか、その節談が聴聞者に合う様に変わったのでしょうか。昔の師の節談を聞いていないのでわかりませんが、今の節談は現代にマッチしていると思います。引っ張りだこのようで、節談復興のために、こんな良いことはありません。今後も節談でのご活躍を大いに期待します。