山下清。みんなご存知のことと思いますが、自分は本物の山下清を知りませんでした。昔のドキュメント映像とかを見て、演じられている山下清とそっくりだと驚いてしまいました。最近は塚地さんが役に取り組んでいて親近感が前よりあります。そんな興味がひきつけてくれたのかも知れません。
 画に添えられた山下清の一言一言が心を打ちました。それで、「山下清東海道53次」のパンフレットを購入してしまいました。その中から2〜3紹介します。
 3番、川崎の川崎大師
 川崎のお大師様にどうしてたくさん人がおまいりに来るかというと おまいりに来るといいことがあるという人が多いからだな ぼくは放浪のとき 成田さんのお守りをよその人に貰って それをつけて鉄道線路を歩いたら汽車にひかれなかったな それをどっかへなくしてから鉄道線路をあるいたら やっぱり汽車にひかれなかったな お守りのききめはわからないな ここで一番とくをしているのは ただでえさをもらっているハトだな。 (山下 清)
 18番、興津の清見
 清見寺という名だな このお寺は 古っぽしいけど上等に見えるな お寺の前庭のところを汽車の東海道線が走っているのは どういうわけかな お寺より汽車の方が大事なのでお寺のひとはそんしたな。
 お寺から見える海は うめたて工事であんまりきれいじゃないな お寺の人はよその人に自分の寺がきれいと思われるのがいいか 自分がお寺から見る景色がいい方がいいか どっちだろうな
(山下 清)
 21番、丸子の柴屋寺
 静岡で「安部川もち」を食べそこなったので 丸子へいったらまず「とろろ飯」を食べるのかと思ったら スケッチする場所をさがすのがさきだったな 放浪から帰ったときは あとから思いだして すきな景色を貼絵にできたから その方が楽だったな こんどはきまった町のなかから 描く景色をえらぶんだから いい景色がないと困るな とろろ屋のさきの方に絵になるところがあったので たすかった (山下 清)

つづく