「おくりびと」を見てきました。コロナで20:50〜レイトショーですので1000円です。明後日の絵解き法話のために、とりあえず見ておかなければと思い、ぎりぎりになっての鑑賞でした。
 映画の前に、カラオケのキーが合わないため、キーを合わせるために再度ヒトカラに行き、20:50丁度に映画館に着きました。チケットを買うために列に並んでいると、後ろからE寺さまがお見えになりました。何という偶然。
 映画は、笑いと感動というのにふさわしい、すばらしいものでした。ただ残念なのは広末だけちょっと演技力が落ちる。広末が出てくるとどうも迫力というか、迫真さが削がれて残念でした。後は、久々に満足という映画です。
 ところどころに、こころに残る一言もあり、なんと言っても納棺夫の納棺の儀なるものがきれいで、真面目に取り組んでおられる。何事にもプロの技術というものがある。本木の演技に脱帽です。自分も仏壇屋のプロとは何をどうする人をいうのだろうかと考えてしまいました。
 職業差別は昔ほどはなくなったと思いますが、まだ偏見を持っておられる方もいます。自分も99%いい仕事に就いたねと言われるのですが、あるお寺さんから、今にいいことがあるからと慰められるような一言を頂いたことがありました。仏壇屋=あまりいい仕事ではない、という人もいるんだと逆に気づかされました。人が言うより何より、いい仕事だと思っております。みんな、こんな仕事をあまり知らないから、イメージでそう思っているのでしょう。見ることを拒んできた一つに焦点を当てて、日の目を見たということで、この映画の意義は大きいと思います。
 終わってE寺さんと「死はくぐりぬける門です」という言葉にうなづいたと。同感でした。人間の最後の買い物は何だと思いますか。それは棺桶。人間最後の買い物は、他人任せなんですよ、というセリフもなるほどと考えさせられます。
 何はともあれ多くの人に見てもらいたい映画です。当然、絵解きでも一言紹介しておきたいと思っています。
 葬儀屋さんも、「おくりびと」と比較されてしまうと、辛いものがあるかもしれませんが、お金だけが目当ての心無い悪徳業者を締め出すいいチャンスかも知れませんね。