露鵬関と白露山関を解雇〜日本相撲協会
 大麻問題で、日本相撲協会はロシア出身の露鵬関と白露山関を解雇。

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 妥当な判断だと思います。自分は1年間くらいの出場停止かと思いましたが、思い切った英断を下しました。これくらいしないと国技としての相撲を国民が許さないでしょう。
 正直に謝罪し、真摯に謝った場合、上記1年間くらいの出場停止で済んだかも知れません。それすらもイヤだから、一か八か、白か黒かの賭けに出たがそれが外れた。そんなに甘くはないということだったのでしょう。
 今回の危機管理も偽装事件と同じで、最悪でした。船場吉兆と全く同じ構図です。その場を凌げば何とかなると思っていたのでしょう。
 しかし、一連の不祥事で角界をとりまく環境があまりにも悪かった。その危機感を感じ取れなかったことを露鵬関と白露山関両力士は悔やむことでしょう。国民を敵に回すような、早々の両者一致のコメント。「絶対にやっていない」。
 これで後には引けなくなった。多分一部の関係した親方たちの間でシナリオがあって、両力士への指導があったからあれほどはっきりと対処したのでしょう。「言われたとおりに否定しろ」とのアドバイス(推測ですが)。
 場合によっては泣きの謝罪の方が良い場合がある。一部の再発防止検討委員によると、先週の簡易検査で陽性反応が出た際には、今年6月のロサンゼルス巡業で大麻を吸引したことを認めていたという。マリファナ合法な海外でのことなので、道義的責任はあるが、正直に言えば反省程度ですんだかもしれません。少し静観という余裕が欲しいところでした。
 TVのワイドショーはこの対決姿勢に飛びつきます。オリンピックが終わってしまっていたことも不運です。ビジュアルからのイメージは悪役っぽく映る。追い風はありません。もう完全に後へは引けない。
 
 こんな嘘も見抜けずに、この騒動に乗っかった弁護士も社会的な信用を落とすというペナルティを受けるはずです。節操のない弁護は非常に腹立たしいものです。本来弁護士というものは、言いくるめて無実を勝ち取るものではありません。そのようなものは詭弁家といって、古代ギリシアにもいたのですが、弁護士ではありません。弁護士は、不当に重い刑罰から被告を守る役目であり、真実を求め、冤罪や事実誤認を正す一方で、被告が犯した罪にはそれに見合った刑罰を持って、罪の重さを納得させる(受け止めさせる)役目があると思います。
 最近のように弁護士自身が判決が下っても、認めるわけにはいかないとか、それでも私たちの主張が正しいなどと言うのは論外だと思います。何のための裁判かがわからなくなってきます。 
 今回、日本相撲協会が英断を下したのは、厳しい選択だったかも知れませんが、協会自身を守る最善の策だったと言えるでしょう。当然、正当な反論をする自由はあります。まだ、少し議論の余地が残るかも知れませんが、両力士も真実を隠しているならば、出来るだけ明かにして、再出発にかける努力をしてもらいたいと思います。