『川村妙慶の日替わり法話http://blog.livedoor.jp/rococo8787/

 アフガニスタンで非政府組織、ペルシャワール会の伊藤和也さんが拉致され殺害されました。

なぜ!殺されなければならないの?
と誰もが怒りの気持ちであるでしょう。

伊藤さんは、「アフガニスタンの人」を救うため、現地の「人」と向き合った方です。

アフガニスタンの方は「イトウさんを忘れない。日本人がしてくれたことは忘れない」と涙を流していました。

とありました。
「なぜ!殺されなければならないの?」の一文を見たときに、じゃあ多くの日本人は伊藤さんが殺される前に伊藤さんが何をやっていたか、知っていただろうか。
 ペルシャワール会が何をやっていたか知っていた人がどれだけいたであろうか。
 現地の人に信頼され、テロリストの間にもペルシャワール会の人には手を出すなと暗黙の了解があったほどだということを知っていただろうか。
 「なぜ?」と言われれば、
 多分、そんな無知が伊藤さんを殺させてしまったのではないでしょうか。

 多くの人が、伊藤さんの死を残念に思い、日本人として誇りに思っていると思う。
 オリンピックの比ではない。
 残念なことは、残っている日本人を引き上げさせてしまったことである。仕方がないことだとは思うけれども、伊藤さんの志を半ばで終わらせないような、次なる方策を立てて欲しい。そして、このような事業に犠牲者が出ないというのは理想であろう。いつも最悪の事態に備えて万全の準備をして、現地の人たちを支援していって欲しいと思う。(強大な軍備と人材を持っている日本国が潅漑用水ひとつ作れないという状況は何なのだろうか。)

 ここでも、当り前のことが崩れて、大事なものを失って初めてそれに気づくという、いつもの人間の愚かさを露呈した。
「なぜ!殺されなければならないの?」 仏教に偶然はない。
 伊藤さんの死を決して無駄にしてはならない。