仏教聖典 第2話 (仏教伝道教会THE TEACHING OF BUDDHAより)
 「例えば、蛇と鰐と鳥と犬と狐と猿と、その習性を別にする六種の生きものを捕えて強いなわで縛り、そのなわを結び合わせて放つとする。
 このとき、この六種の生きものは、それぞれの習性に従って、おのおのその住みかに帰ろうとする。蛇は塚に、鰐は水に、鳥は空に、犬は村に、狐は野に、猿は森に。このためにお互いに争い、力にまさったものの方へ、引きずられてゆく。
 ちょうどこのたとえのように、人びとは目に見たもの、耳に聞いた声、鼻にかいだ香り、舌に味わった味、身に触れた感じ、及び、意に思ったもののために引きずられ、その中の誘惑のもっとも強いものの方に引きずられてその支配を受ける。
 またもし、この六種の生きものを、それぞれなわで縛り、それを丈夫な大きな柱に縛りつけておくとする。はじめの間は、生きものたちはそれぞれの住みかに帰ろうとするが、ついには力尽き、その柱のかたわらに疲れて横たわる。
 これと同じように、もし、人がその心を修め、その心を鍛錬しておけば、他の五欲に引かれることはない。もし心が制御されているならば、人びとは、現在においても未来においても幸福を得るであろう。」

 真宗の教えでは、『功徳大法海に帰入すれば、必ず大会衆の数に入ることを獲。蓮華蔵世界に至ることを得れば、すなわち真如法性の身を証せしむと。煩悩の林に遊びて神通を現じ、生死の園に入りて応化(おうげ)を示す、といえり。』南無阿弥陀仏