雑行とは、
 さて雑行というは、なにごとぞなれば、弥陀よりほかのほとけも、またその余の功徳善根をも、また一切の諸神なんどに今生において用にもたたぬせせりごとをいのる体なることを、みなみな雑行と嫌うなり。
 つまり「雑行」とは、まさに諸神にこの世を祈る生き方のことです。
 人間に生まれるとは、
 それ人間の生を受けたることは別のゆえに非ず、仏法をききて生死を離るべきためなり。
 後生の一大事とは、
 世間は一旦の浮生、後生は永生(ようしょう)の楽果なれば、今生はひさしくあるべき事にもあらず候。後生という事は、ながき世まで地獄におつる事なれば、いかにもいそぎ後生の一大事と思いとりて、弥陀の本願をたのみ、他力の信心を決定すべし。