絵解き座の座長、梛野明仁師は毎年この報恩講の時期は忙しい。親鸞聖人絵伝の絵解きの依頼が来るからである。身はひとつなのに、大概の法要は土日なのでスケジュール調整が大変だと思う。絵解きでも、絵を解説する絵解きと、絵を使って念仏の教えを説く絵解きと2種類がある。昔、絵解きは情に訴えて、念仏せずにはおられなかったような熟練された話芸だったのだろうが、今の絵解きのほとんどは絵解説になってしまっている。その中で昔ながらの絵解きをする梛野師の評価は高まっても下がることはないであろう。今年は琵琶を弾きながら語るという芸にもチャレンジ。それはあの場に立ったことのない人にはわからない努力と練習が必要なことである。今後、親鸞聖人750回忌までどのような進歩を見せてもらえるか楽しみであると同時に「絵解き座」のみんなも各自精進しなければと思った。
 世の住職は、お寺のことで何でもいいからチャレンジしてもらいたい。檀信徒さんはそれを支援してあげてほしい。親鸞聖人750回御遠忌はお寺を「念仏の道場」にたてなおすチャンスなのである。