「集団自決」とは日本軍の指揮でいざとなったら手榴弾で自決せよと言われて、実際に多くの人のいのちが失われたことを言います。今、政府は「集団自決」はなかったとして、教科書から削除しようとしています。どこまで無智を増幅して行くのでしょうか。絶対に本当の事を知っている人はいたはずだし、今の政府の記録でも真実らしいことはわかっているはずです。いい加減にこの国の将来を考える政治家が出てきて欲しいものです。自分はどちらでもいいのです。事実の積み上げを異論のないところまで徹底的に調査して歴史の教科書に記載して、二度とこのようなことがないように子供たちに教えてもらいたいと思います。
 「集団自決」の問題では、「集団自決」であったと認められた場合には、赤ちゃんであっても国のための戦闘行為による死亡ということで靖国神社に祭られているそうです。そして、遺族年金ももらえるようです。「集団自決」ではなかったということになれば、その恩恵が亡くなってしまうかも知れないという裏話もあり、そんな事を聞くと今の争いはどっちもどっちだと思ってしまいます。遺族年金は放棄してでも、真実を伝えようと強く訴えるには、やはり利害関係がないことが大前提だと思いました。何にしても不幸しかもたらさない戦争は、決して起こさないという覚悟がこの国には足りないようです。

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 ところで、「六道輪廻」をどう思いますか?「熊野観心十界曼荼羅」の絵解きのメインになるものですが、地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天人の六道の世界に生前の行いによって死後生まれ変わるというものです。お釈迦さまは、死後のことは無記と言って語らなかったので仏教思想ではありません。亡くなった後の七日七日はその裁判をする期間で、49日で忌が明けたらその人がどこかの世界に送られると考えられています。この六道から解脱するためには仏になる道を歩まねばならないのですが、ここで自力と他力の違いが出てくるのです。と、まぁこの辺にして、本題。
 ラジオを聞くことが多いのですが、よく人生相談ということをやっています。その日は娘夫婦のために、母親が借金をして生活費を助けた。しかし、その母親の借金元から嫌がらせの電話がきて困っているという相談でした。実際、借金は会社から前借して一括返済しているにもかかわらず、催促の電話が止まらず勤め先にもかかってきてどうしようもないということでした。聞けば、娘夫婦の旦那が失業して、給料のない間の生活費を借金したと言うことで、今は月19万円の給料をもらえる仕事に就いたけれども、それでは足りないからといって毎月9万円補助してあげて、そのために夕方から別のアルバイトをしてそれに当てていると言う。
 
・・・・・まず、借金を完済したかどうかはっきり確認していない。嫌がらせの対応も断固として行っていない。19万円給料があるにもかかわらず生活費を援助している。あまりにもいい加減すぎる。無知と言ってもいいのではと思ってしまう。何でも娘への援助は離婚して欲しくないからだそうだ。その母親の両親が離婚していてその苦労を娘にさせたくないという想いから援助しているらしい。
 
 「六道輪廻」は現在もあった。不幸の連鎖。地獄からいつまでたっても抜け出せない。でも、はたから見れば当然そうなるという風に行動しているように見える。本人は一生懸命働いて考えて生きているのに、無知ゆえにつまらない苦労から逃れられない。多分娘にも続いて行くことだろう。
 みんなそうなんだと思う。夕食の時に妻に「こんな相談があって、『六道輪廻』って現代にもあるんだと思うよ」って言ったら、「だから、貧乏から抜けられないんじゃない。」だって。「貧乏はするもんじゃない、味わうもんだ」という落語家の言葉が心に染みる。