養老孟司/太田光「人生の疑問に答えます」という本の中で養老先生が言っています。「悩みには答えがないんです。どういうことかというと、問題が問題でなくなるのが悩みの解決なんです。あることについて問題だと思い込んでいる、まさにそういう状況が問題なのであって、その状況自体が変化してしまえば問題でなくなるんですよ。いわば自分の感じ方、考え方が変わってしまうんですね。そうなるためには、そこまで詰めて考えないと変わらないということも多いんですよ。」
 まさしくこれは不断煩悩得涅槃を言っているのだと思います。「引き受ける」ということが「転」ということです。智慧の眼で真実の光を見ること、これが聞法の意味です。聞光力を身につけたとき問題を問題としない転換の生き方ができるのではないでしょうか。

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「正直者はバカをみる」と言いますが本当にそうでしょうか。今、選挙運動の真っ最中ですが、この娑婆でうまく世渡りしていこうとすれば、正直ものはバカを見るということは真実でしょう。選挙運動で正直にすべて話す人はいません。方便あるいは融通というものを利かさないと、生きづらくてしょうがないでしょう。しかし、最近気が付いたのですが、正直者はバカを見るけれども、バカ正直者はバカを見ないということです。何事も、中途半端を止めて、徹底すれば必ず何かものになるような気がする今日この頃です。(表現が古いなぁ)