前衛仏教論―〈いのち〉の宗教への復活 町田宗鳳著

仏教は本来、私たちを生き難くするあらゆる束縛から解き放ち、のびのびと今を楽しむ自由な自分を取り戻す道である。「葬式、法事、お墓」など死者のイメージがつきまとい、意味の分らないお経を読み、丸もうけする坊主。閉塞した日本仏教への大胆な提言を交え、仏教思想のおおらかさを再発見することに挑戦した書。

というような内容の紹介があるが、「今を楽しむ自由な自分」というような表現からも分るように、一般的な仏教書である。仏教は、自由を求めるのではなく自在を求めるのだ、などといっても分らないであろう。細かいことを気にしなければサッと読める。今の仏教界に疑問を呈し、何かを始めようと提案している、その意気が心地良い。