公開講演会「人間成就」

赤羽別院において、公開講演会「人間成就」の第5回目がありました。
講師は古田和弘氏。真宗大谷派の岡崎教区強化委員会が主催する講演会です。
自分は2回目の田口ランディーさんの時以来2度目の参加でした。
今回の講題は「今、いのちがあなたを生きている」という御遠忌のテーマでした。
講演では、この文章は全く意味が通じない。
頭のいい人真面目な人が時間を掛けて
一生懸命考えるとこういうものになる、と言っていました。
そして結論として意味をくむと「今、弥陀の大悲があなたを生きている」
と言うことであるとしていました。

自分は共感できないのです。
自分が分るように分りやすくして分ったつもりになるとは
このことだと思っています。「今、いのちがあなたを生きている」と
「今、弥陀の大悲があなたを生きている」とは、それぞれがテーマとなりうる
ことだと思いますが、二つは別なことを訴えていると思います。後者は確かに
そのような文章だとわかりますが、分ったつもりになって終わりです。
テーマの文章は確かに分りにくいし、
ふつうの人には日本語としてはおかしく感じる
かもしれませんが、不可思議光を感じる人たちには、
感覚的に何かを感じさせるもの
があると自分は思っています。宗教感覚を育てるというか、
宗教センスを感じられるかのものさしのように受け取っています。
この人センスがないなと。
このテーマを批判する人たちの共通点は、
言っていることが心に響かないということです。
確かに大学の教授の方が多いのですが、
講義、研究の延長で仏教布教とは路線が違うような印象を
このごろ特に感じます。公開講演会なのでそれでいいのですが。
質疑応答で「私はとにかく浄土へ行きたい」と言われたおばあさんが印象的でした。
偉い先生の話も参考にしながら、それに流されず、
私たちは4年間このテーマを考え続け新しい発見と感動を共有しましょう。
自分の理解が足りないために誤解もありますが、第一印象で感じたことを
書いてみました。

今日の講演と似たような討論が真宗2,3月号に宗祖としての親鸞聖人に遇う、御遠忌テーマ「今、いのちがあなたを生きている」をめぐって(上)(下)として載っています。参考まで。