[尊号真像銘文]
「互国不逆違 自然之所牽」というは、其国はそのくにという、すなわち安養浄刹なり。不逆違は、さかさまならずという、たがわずというなり。逆はさかさまという。違はたがうというなり。真実信をえたる人は、大願業力のゆえに、自然に浄土の業因たがわずして、かの業力にひかるるゆえにゆきやすく、無上大涅槃にのぼるにきわまりなし、とのたまえるなり。しかれば、自然之所牽ともうすなり。他力の至心信楽の業因の自然にひくなり。これを牽というなり。自然というは、行者のはからいにあらずとなり