唯信鈔文意

ある『経』には、観音を宝応声菩薩となづけて、日天子としめす。これは無明の黒闇をはらわしむ。勢至を宝吉祥菩薩となづけて、月天子とあらわる。生死の長夜をてらして、智慧をひらかしめんとなり。「自来迎」というは、「自」はみずからというなり。弥陀無数の化仏、無数の化観音、化大勢至等の、無量無数の聖衆、みずからつねに、ときをきらわず、ところをへだてず、真実信心をえたるひとにそいたまいて、まもりたもうゆえに、みずからともうすなり。