「部品が壊れた際に機能を止めるコンピューター」
「車椅子の物理学者」として知られる英国の物理学者スティーブン・ホーキング博士(69)は、天国とは闇を恐れる人のおとぎ話にすぎないとし、死後の世界があるとの考えを否定した。ホーキング博士は「(人間の)脳について、部品が壊れた際に機能を止めるコンピューターと見なしている」とし、「壊れたコンピューターにとって天国も死後の世界もない。それらは闇を恐れる人のおとぎ話だ」と述べた。
博士は21歳の時に筋萎縮性側索硬化症(ALS)という進行性の神経疾患と診断され、余命数年とされた。「自分は過去49年間にわたって若くして死ぬという可能性と共生してきた。死を恐れてはいないが、死に急いでもいない。まだまだやりたいことがある」と語った。
また、人々はどのように生きるべきかとの問いに対し「自らの行動の価値を最大化するため努力すべき」と答えた。
1988年の著書「ホーキング、宇宙を語る」で世界中に広く知らるようになった博士は、2010年の著書「The Grand Design(原題)」では宇宙の創造に神の力は必要ないとの主張を展開し、宗教界から批判を浴びている。

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科学者にとって極めて合理的な考え方だし、どちらかと言えばこの方が正しいかもしれない。しかし、宗教は正誤の世界とはまた違った面を持っている。信じるという世界がある。(ここでは宗教に対してのコメントは全くしていない)
不思議なのは、この記事だけからすると「生かされて」いるという感じが全く出てこないのである。そこをも超越してしまっているのか?「自らの行動の価値を最大化するため努力すべき」エネルギーを授かるような見えないはたらきを全く感じないのか?少し頑なになっていないだろうか。
宇宙の創造に神の力は必要ないとの主張は、仏教思想とは対立しないと思う。人間の精神にとって宗教は不要なのか。博士が仏教的な思想に出会ったらどう考えるか、仏教特に浄土思想を否定するにしてもどこから切り込むのか、浄土も闇を恐れる人のおとぎ話なのか、その言葉を聞いて見たい。