月の沙漠
作詞 加藤まさを
作曲 佐々木すぐる

1 月の沙漠を はるばると 旅の駱駝(らくだ)が 行(ゆ)きました
  金と銀との 鞍(くら)置(お)いて 二つならんで 行きました
2 金の鞍には 銀の甕(かめ) 銀の鞍には 金の甕
  二つの甕は それぞれに 紐(ひも)で結(むす)んで ありました
3 先の鞍には 王子(おうじ)さま 後の鞍には お姫(ひめ)さま
  乗った二人(ふたり)は おそろいの 白い上着(うわぎ)を 着(き)てました
4 広(ひろ)い沙漠を ひとすじに 二人はどこへ 行くのでしょう
  朧(おぼろ)にけぶる 月の夜(よ)を 対(つい)の駱駝は とぼとぼと
  
  砂丘(さきゅう)を 越(こ)えて 行きました
  黙(だま)って 越えて 行きました

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さて、この沙漠は何処でしょうというのが問題です。
http://www.onjuku-kankou.com/shisetu.html
知る人ぞ知るといったところ。自分は全く知りませんでした。
まさか千葉県だとは。
海岸であることは沙漠の沙の字が暗に表わしているとか。
この王子とお姫様は何をしているのか?
ラジオでは「かけおち」ではないかといっていましたが、
舞台が千葉県のフィクション、意味は無いのかもしれません。
何気なく、水谷豊さんのマリンバでも発表してもらっていましたが、
不思議な歌だと初めて気づかせていただきました。

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加藤氏は大正12年『少女倶楽部』の依頼に応じて、作詞されたとのこと。
加藤氏はアラビアに行ったことはなく、全くの空想で詩を書かれたそうです。
そして、病気療養を期に夏よく当地を訪れ、『御宿の砂丘で得た幻想』から
生まれた詩であると本人は語っている。
(詩を書いた時、思い浮かべたのが、立教大学在学中、毎年、夏になると
過ごした千葉県の御宿海岸の砂丘だったという。)
「なぜラクダがいるのですか?」の問いに
『馬では西部劇に、牛だと牧場になってしまいます』
「どうして一瘤ラクダなんですか?」
『一瘤でないと東洋の感じが出てしまってダメなんです』
「王子さまとお姫様はどこに行ったのですか?」
『僕も知らないんです…一緒に考えてください。』
と作者は答えている。

http://blog.zaq.ne.jp/demian/article/13/より引用