思考の整理学 外山滋比古著 
今東大で一番売れている本だそうです。20数年前に出版されたこの本が今年になってミリオンセラーだそうです。NHKで紹介されていました。グライダー効果だとかいろいろ紹介していましたが、その中にアイデアとか思考は寝かせろということがありました。本を読んだりした感想はすぐに書き留められるがそれはマネである。少し間をおけば、必ず忘れるので考えながら書くことができる。このことは、来栖けい氏が料理の紹介を書くのに絶対にすぐには書かないというのに通じています。間をおいても心に残っている料理が紹介に値するものという考えからだそうです。
この本の特徴は、だからこうしなさいという解答が示されていないことだそうです。著者のコメントもありましたが、最近の傾向として考えることを少しせざるを得ない状況がきているから、この本も注目されるようになったのかも知れないということです。それは、いい傾向だと思います。著者の「知的創造のヒント」という本が眠っていたので、引っ張り出して読んでみたいと思います。

愚の力大谷光真
不安に満ちた現代社会をどう生きればいいのか。そんな問いに答えるべく、浄土真宗本願寺派の第24代門主が著した書だ。

親鸞の教えを踏まえて、著者はこんなことを言う。「人間中心の考え方」にとらわれた現代人は、つい物欲などの欲望にとらわれてしまう。だが死に瀕(ひん)した場面などを考えてみれば、「自分が外側からかき集めて来たものは実はまったく役に立たない」。だからこそ、自分は他とのかかわりの中で「生かされている」に過ぎないと自覚すること、すなわち「愚者になる」ことが大切なのだ――。
とかく宗教的なものが敬遠される時代。しかし、仏教には、社会のためにできることがまだまだあるはずだ。そんな感想を抱かせる1冊。ダライ・ラマ14世との対話も巻末に収録。(文春新書、780円)(英)(2009年11月4日 読売新聞)
 
昨日教えていただきました。早速紹介します。
法然聖人が提唱し親鸞聖人が実践した「愚者」という生き方は、わたしたちに多くのヒントを与えてくれる。「愚」をキーワードに、西本願寺24代門主が、わかりやすく説く宗祖・親鸞の教え。本書は、まるで末法の時代の人々のように、不安の日々を暮らす現代人にとっての人生の書である。
目次
第1章 不安の時代を生きる—生死の苦海ほとりなし
第2章 私はいただきもの—世々生々の父母・兄弟なり
第3章 人間は死ぬものだ—往き易くして人なし
第4章 親鸞聖人の生き方—悲しきかな愚禿鸞
第5章 末通らぬ者として—おのれが能を思量せよ
第6章 愚者になる—小慈小悲もなき身にて
終章 ダライ・ラマ十四世との対話—仏教とは何か