• 貧窮になってみて初めて、貧乏のどれほど辛いものであるかがわかる。病気になってみて初めて、病人の気持ちが了解できる。死んでみて初めて、死というものが理解できる。たえず何かを求めて、あがき苦しみ、もがきうめいて、そして、ついに何かを悟ることができたら、人生は成功だ。
  • 反省することは、真に“知る”唯一の手段である。内に省み外に省み、ここにはじめて自己を知り他を知り、やがて神(仏)を知ることができるのである。
  • 世間的外的の幸、不幸は、かならずしも真の幸、不幸ではない。
  • 世間は実際あさはかなもので、ちょっと、これこれが流行するといえば、猫も杓子もそのまねをする。要するに、人間各自に真の自覚というものがなく、しっかりした人生観を持っていないからのことである。それも、平素無事の間は相当にやっていけるけれども、何かことがあると自覚のある人とない人、信念のある人とない人との間に非常に差が生じてくる。
  • 今のわれと理想のわれとは違う。今のわれは臨機応変のものであり、理想のわれは一定不変のものである。自分がつまらなく思えたときは、非常に進歩したときだ。
  • ものの成るかならないかは、その人が一心になるかならぬかによってきまるものである。

(「生きがいの探求」より引用 つづく)