『謹んで往相の回向を案ずるに、大信あり。
 大信心はすなわちこれ、長生不死の神方、欣浄厭穢の妙術、選択回向の直心、利他深広の信楽、金剛不壊の真心、易往無人の浄信、心光摂護の一心、希有最勝の大信、世間難信の捷径、証大涅槃の真因、極速円融の白道、真如一実の信海なり。
 この心すなわちこれ念仏往生の願より出でたり、この大願を選択本願と名づく。また本願三心の願と名づく、また至心信楽の願と名づく。また往相信心の願と名づくべきなり。』 
 
 今月から教行信証信巻に入る。大信心は念仏往生の願より出でる。自分の力で得られるものではない。その例えを観経の韋提希夫人を挙げて説明された。浄土を心から願うところに浄土は開かれる。
 しかし、親鸞聖人の言葉の使い方は独特で、そのお心は自分には測りがたい。少しでも感じ入られるように、まず語句から慣れないといけない。