自分は仏教系の大学に行っていないので体系的に仏教を学んだことがない。そのときそのときの縁で勉強させてもらっているが、今回「入出二門偈頌文」を読む機会を得た。一句七言百四十八句の偈文で、「浄土論」と「浄土論註」により入出二門、自利と利他との実践を通して他力の奥義を明らかにしたものであると解説されているがよくわからない。
 「菩薩は五種の門を入出して、自利利他の行、成就したまえり。不可思議兆載劫に、漸次に五種の門を成就したまえり。」ここに往相と還相の回向を見ることが出来る。自利の行が往相で、第一門から第四門に入る。利他の行が還相で出第五門にあたる。「本願力の回向をもってのゆえに、利他の行成就したまえり、知るべし。」
 利他=還相回向、だとすれば完全な利他行は、煩悩成就の凡夫人には無理なこと。「本願力の回向をもってのゆえに、利他の行成就したまえり。」仏になって還相の回向として初めて利他の行は成就するのか。
 念仏成仏これ真宗。…真宗遇いがたし、信を得ること難し、難の中の難、これに過ぎたるはなけん。…煩悩を具足せる凡夫人、仏願力によって摂取を獲。
 
 難しいが何となく分かるような分からないような、不思議なありがたさを醸し出している。