[尊号真像銘文]
「十方衆生」というは、十方の、よろずの衆生というなり。「至心信楽」というは、至心は、真実ともうすなり。真実と申すは、如来の御ちかいの真実なるを至心ともうすなり。煩悩具足の衆生は、もとより真実の心なし。清浄の心なし。濁悪邪見のゆえなり。信楽というは、如来の本願、真実にましますを、ふたごころなくふかく信じてうたがわざれば、信楽ともうすなり。この至心信楽は、すなわち十方の衆生をしてわが真実なる誓願信楽すべしとすすめたまえる御ちかいの至心信楽なり。凡夫自力のこころにはあらず。