粕谷知世著「終わり続ける世界のなかで」
はいろいろと考えさせられました。
この本をもとに元気塾などで座談会をするのもいいと思います。
本の中で東堂の言った言葉。
 
『「みんなは一人のために 一人はみんなのために」のスローガン
は嘘臭くこういう言葉に煽動された人間ほど恐いものはない。けど、
「みんなが一人 一人はみんな」と言い換えると単なる事実だ。』
  
このことは余計分かりにくいかも知れませんが、
自分は「共生(ともいき)」と「親鸞一人がためなりけり」
の言葉を思い浮かべて、
息が詰まってくるような読書感の中で、
ちょっとほっとしました。
 
『わたしが求めていたのは、
シンプルで根本的に正しい考え方だった。
それが見つからなければ、
死ぬまで「どうやって生きたらいいのか分からない」
と思春期の中学生めいた不安を
抱えたまま生きていくしかない。』

主人公伊吹の生き方、考え方が多くの人間の
心の成長を表わしているのだとしたら、
宗教を目指すものはこの本を読んでもう一度
何かを感じ取って欲しいと思いました。