般若湯」って知っていますか。お寺ではときどき使われる言葉ですが、「酒」の隠語です。他に僧侶の奥さんが「大黒様」とかは有名ですが、その他となるとあまり知りませんので、何かあるかと調べてみたら、
無人(だい・む・じん)とは、「大」から「人」を「無くす」と「一」になる。仏教の隠語なんですね。
ちなみに「二:天無人(てんむじん)」「三:王無棒(おうむぼう)」「四:署無者(しょむしゃ)」「五:吾無口(われむこう)」「六:立無一(りゅうむいち)」「七:切無刀(せつむとう)」「八:釜無金(かまむきん)」「九:鳩無鳥(きゅうむちょう)」。

とのこと。まったく聞いたことがありませんでした。
仏教の教えや贅沢を控える風潮によって殺生や(四足の)肉食は禁止されていた江戸時代、おおっぴらに肉食が出来なくなったため、「鹿は紅葉」「猪は牡丹」「馬は桜」と隠語で表すようになった。
これについては、日本では明治時代以前の長い期間、肉食は精々が鳥類迄で、”四つ足”即ち獣肉を食べることはご法度だったという歴史による一般人の文化からも言い換えが流行ったようです。
「化蝶」とは、佛教世界の隠語で「銭」という意味である。
まったく聞いたことがありませんでした。

仏が遺体になったり、シャリが寿司飯になったりする逆の隠語もあります。
酒の隠語はたくさんあって、「唐茶」とも言ったりするそうです。そんなに飲みたいのなら「水」と言っても良さそうなのですが…。(命の水とかは有りそうですね)ちなみに「般若湯」という商品名のお酒もあるので、隠すつもりで「般若湯」と言っても、酒好きには「ああ、あの酒ね」と応えられてしまうかも知れません。やってはいけないと言われる事や物には、隠語が多くなるみたいです。
 
「百薬長」「海老」(かいろう)「ささ」 「富水」(ふすい)「甘露」(かんろ)「瑞露」(ずいろ)「天の美禄」 「聖賢」「般若湯」(はんにゃとう)「大乗水」「硯水」(けんすい)「九献」(くこん)「三遅」(さんち) 「狂い水」(きちがいみず)

酒の種類の隠語
「いた」…… 日本酒のこと。伊丹から出たもの。
「きす」……酒類一般。方言の変化したもの。
「おにぎす」……焼酎。鬼のように強いという意味。
「にがぎす」……ビール。苦みがあるから。
「すい」……清酒のこと。
「てっべん」…… 強い酒。駿河地方の方言より。
「とり」……酒類一般。酒の字の酉から出た。
「ひだり」……酒類一般。左ききから出ている。
「みずとり」……酒類一般。水酉である。
「もんつき」……酒菰。紋付からでている。
「ジューリ」……どぶろく。濁り酒だから、ニゴリ(二五里)と洒落、二五の「十里」とした。
「すみません」……どぶろく。澄まないから。