第2京阪道路の用地で買収に応じなかった大阪府門真市の農地771.17平方メートルが16日、府の行政代執行を受ける。近所にある北巣本保育園の畑として20年来、園児たちが耕し、収穫物は給食に使ってきた。31日には他の保育園との芋掘り交流会も予定されていた。

 畑には地元で「農神(のがみ)さん」と呼ばれる樹齢200年を超えるエノキも生えている。保育園理事の松本剛一さん(49)は89年、父親から保育園の運営と農地を引き継いだ。園からは徒歩3分。年長組の子が耕し、無農薬でキャベツ、ジャガイモ、ニンジン、サツマイモなどを栽培。収穫物は給食のカレーやスープになり、「甘くておいしい」と野菜嫌いが直った子も多い。

 15日、記者会見した松本さんは「道路規模を縮小すれば、畑はつぶさないでもすむ。食育の場を奪わないで」と訴えた。松本さんは07年2月、国を相手取り、事業認定取り消しを求めて大阪地裁に提訴した。今も係争中だ。「3階建て全10車線の道路が完成すれば、大気汚染や騒音のおそれもある」と松本さん。西日本高速道路会社から具体的な代替地の提案は、一度もない。

 また、松本さんは土地の強制収用の執行停止を同地裁に申し立てたが、今月1日に却下。即時抗告を受け、大阪高裁は8日、「30日に決定を出す」とした。府の代執行令書は6日付で、執行予定日は16日。府は「これ以上引き延ばせない」と高裁決定を待たない意向だ。代執行により、農作物が掘り起こされて整地され、立ち入り禁止になる。

 保護者ら64人は15日、国交相、府知事らに要請書を提出した。「月末の芋掘りまで待って下さい」「子どもたちは世話をしてきた落花生の収穫ができないと悲しんでいます」などとつづられている。(阿久沢悦子)

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 2週間工事が遅れると5〜6億の損失が出る(橋下府知事言)という理由で、16日行政代執行は行われ、3時間で畑はなくなってしまいました。とニュースが流れていましたので、どうしたら良かったのか、と思いブログに載せました。
 お互いの考えに固執は無かったであろうか。畑を取られたという被害者意識だけでなく、もっと良いアイデアが浮かばなかったことを反省すべきだろう。また、経済だけの理由で行政代執行はされるべきではないと思う。そして、子供たちの涙で同情を引くこともいけないと思う。
 大人の駆け引きに子供が巻き込まれることになってしまったが、結果一番傷ついたのは子供たちであり、笑顔が出る行政は理想であって、現実は程遠いと言うことを露呈した形となったし、イメージダウンを含めると5〜6億以上の経済損失を被ったのではとさえ思う。